安宅和人著『イシューからはじめよ』

『イシューからはじめよ』は、問題解決に集中したとても重要な1冊だと言えます。本書では、問題解決に必要な考え方や方法が紹介されています。著者の安宅和人氏は、ロジカルシンキングの分野で有名な人物であり、本書でもその知見を活かして、問題解決に必要なステップを詳しく説明しています。

仕事に問題はつきものです(あえて課題とは言わずに)。そんなとき、どのように解決するか。私はいつも”イシューの発見・炙り出し”からはじめます。そうすると、不思議と解決策が、しかも利害関係者が納得する解決方法が見つけ出せます。本書にはそのヒントが詰まっています。

ビジネスや研究において、本当に価値ある仕事をするためには、まず「イシュー」を見極めることが重要であると説く一冊です。

イシューとはなにか?

イシューとは、2つ以上の集団の間で決着のついていない問題であり、根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題のことです。

※「2つ以上の集団」とは何か?

「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」というときの集団とは、以下のようなものが考えられます。

  • 企業や組織内の異なる部門や役割
  • 異なる価値観や立場を持つ人々
  • 異なる業界や領域の人々

例えば、企業内の営業部門とマーケティング部門が、新商品の販売戦略をめぐって意見が対立している場合、この問題はイシューであると言えます。なぜなら、営業部門とマーケティング部門は、それぞれ異なる目標や視点を持っているため、決着がつかず、解決策がなかなか見えてこないからです。

また、環境問題や貧困問題など、社会全体で解決策が求められている問題も、イシューであると言えます。なぜなら、これらの問題は、さまざまな利害関係者が存在するため、決着がつかず、解決が難しいからです。

このように、「2つ以上の集団」とは、単に「2つの人」という意味ではなく、異なる立場や視点を持つ人々が集まった集団を指します。

なお、イシューかどうかを判断する際は、以下の点に注意するとよいでしょう。

  • 問題の原因が明確になっているか
  • 解決策が1つではないか
  • 解決策が実現可能か

これらの条件を満たしていれば、その問題はイシューである可能性が高いと言えます。

本題に戻ります。

著者によれば、私たちが「問題だ」と思っていることのほとんどは、イシューではないと言います。例えば、「売上が上がらない」という問題は、イシューではありません。なぜなら、この問題は、売上が上がらない原因が何であるかによって、解決策が大きく変わるからです。

イシューを見極める方法

イシューを見極めるには、以下の2つの条件を満たすかどうかを検討します。

  1. 2つ以上の集団の間で決着がついていない
  2. 根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない

具体的には、以下の方法が有効です。

  1. 「なぜ」を5回繰り返して、根本的な問題を明らかにする
  2. 関係者の視点に立って、問題を多面的に検討する
  3. データや事実に基づいて、客観的に判断する

イシューからはじめるメリット

イシューからはじめるメリットは、以下の3つです。

  1. 解決策が絞られて、効率的に仕事ができる
  2. 本当に価値のある仕事をすることができる
  3. 新たな発見やイノベーションにつながる

イシューからはじめるプロセス

イシューからはじめるプロセスは、以下のとおりです。

  1. 現状を把握する
  2. イシューを明確にする
  3. 仮説を立てる
  4. 検証する
  5. 仮説を修正する
  6. 解決策を実行する

イシューからはじめよの評価

本書『イシューからはじめよ』は、ビジネスにおいて、問題解決や意思決定のスキルを向上させることができると評価されているようです。

本書は、具体的な事例や図解を用いて、イシューの見極め方や解決策の導き出し方をわかりやすく解説しています。また、ビジネスだけでなく、研究や教育など、さまざまな場面で活用できる内容です。

イシューからはじめよの活用方法

『イシューからはじめよ』を活用する際は、以下の点に注意するとよいでしょう。

  • イシューを明確にするためには、時間と労力をかけること
  • 仮説を立てる際には、多様な視点から検討すること
  • 検証の際には、客観的なデータや事実に基づいて判断すること

イシューからはじめるスキルを身につけることで、より価値のある仕事をできるようになるでしょう。

もう少し具体的な内容を深掘りしてみます。

本書では、問題解決には「イシュードリブン」「仮説ドリブン」「アウトプットドリブン」「メッセージドリブン」という4つのアプローチ(ステップ・段階)があると紹介されています。これらのアプローチを使いこなすことで、問題解決に必要なスキルを身につけることができます。

また、本書では、問題解決に必要な考え方や方法だけでなく、具体的な事例も紹介されています。そのため、初心者でも分かりやすく、実践的な内容となっています。

第1のステップ

「イシュードリブン」とは、問題解決において、問題を中心に考えることを指します。つまり、「イシュー(問題)ドリブン(主導する)」という意味です。このアプローチでは、問題を明確に定義し、その原因を分析することが重要です。次に、解決策を考え、実行することで問題を解決します。このアプローチは、問題解決に必要なスキルを身につけることができます。

例えば、ある企業が売上を伸ばすためには、どのような問題があるのかを明確にし、その原因を分析することが必要です。その後、解決策を考え、実行することで問題を解決します。このように、「イシュードリブン」は、問題解決において非常に有効なアプローチです。

第2のステップ

「仮説ドリブン」とは、問題解決において、仮説を立ててそれを検証することで問題解決に導くアプローチです。このアプローチでは、問題を明確に定義し、その原因を分析した上で、仮説を立てます。次に、その仮説を検証するための実験や調査を行い、問題解決につなげます。

例えば、ある企業が売上を伸ばすためには、どのような問題があるのかを明確にし、その原因を分析した上で、仮説を立てます。その後、その仮説を検証するための実験や調査を行い、問題解決につなげます。このように、「仮説ドリブン」は、問題解決において非常に有効なアプローチです。

このように問題解決のプロセスを、それぞれの段階に分けて詳細に解説してくれています。今、ご自身に起きている問題をいかに”イシュー化”するか。それによって問題が誰にも納得する形で解決される可能性が高まります。ぜひ、ご一読ください。