山口周著「外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント」

山口周さんの本はたくさん読ませていただいています。
そのなかで最近、読んだこちらのタイトルをご紹介します。
経営者や事業責任者、もちろん店長などの役職者にはぜひ読んでいただきたい本です。私がこの本を読んで、過去の経験を思い出すと、本書に出てくるポイントに当てはまる数が多いほど、成功していることに気付かされます。
逆に言えば、ポイントをはずしたプロジェクトは失敗している、もしくは軌道に乗るまで時間がかかっていることに気づきます。そうならないために、、、ご一読を。


山口周著「外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント」とは、プロジェクトを成功に導くためのリーダーシップやマネジメントの技術を、外資系トップコンサルタントの視点から紹介した本です。著者の山口周氏は、電通やボストン・コンサルティング・グループなどで企業戦略や組織開発に携わった経験をもとに、プロジェクトの始め方、進め方、終わらせ方などを具体的な事例やノウハウとともに解説しています。本書は、以下のような目次で構成されています。

  • 第1章 プロジェクトは始まる前にすべてが決まる
  • 第2章 プロジェクト序盤に注意すべきこと
  • 第3章 プロジェクトをうまく「着陸」させる
  • 第4章 計画を成功に導くリーダーシップ

本書は、プロジェクトマネジメントの具体的な手法を学ぶだけでなく、プロジェクトリーダーとしての心構えや姿勢を学ぶことができる一冊です。リーダー、管理職、若手社員など、あらゆるビジネスパーソンに役立つ内容となっています。

ほかにプロジェクトマネジメントの方法って何がある?

本書からはずれますが、プロジェクトマネジメントの手法には、さまざまな種類があります。それぞれに特徴や適用するべきケースがありますので、自分のプロジェクトの目的や状況に合わせて選ぶことが大切です。以下に、代表的なプロジェクトマネジメントの手法をいくつか紹介します。

  • PMBOK(Project Management Body of Knowledge):プロジェクトマネジメントの教本とも呼ばれる、プロジェクトマネジメントの知識やノウハウを体系的にまとめたものです。プロジェクトを10の要素と5つのプロセスに分類し、QCD(品質・コスト・納期)の目標値を達成できるよう管理する方法です。
  • WBS(Work Breakdown Structure):プロジェクト全体を細かなタスクに分解し、ツリー状の図で表現する方法です。必要なタスクを洗い出したり、作業工程を確認したりするのに役立ちます。
  • ガントチャート:プロジェクトのタスクや工程を棒グラフで表現する方法です。作業開始日や作業完了日を視覚的に理解できます。
  • マインドマップ:プロジェクトのアイデアや関連する情報を中心から放射状に広げて表現する方法です。ブレインストーミングや構想作りに役立ちます。
  • カレンダー:プロジェクトのタスクやイベントを日付ごとに整理する方法です。スケジュール管理や期限管理に役立ちます。
  • PPM(Project Portfolio Management):複数のプロジェクトをポートフォリオとして捉え、戦略的な観点から管理する方法です。リソースの最適化や優先順位付け、パフォーマンス評価などに役立ちます。
  • P2M(Project & Program Management):日本初のプロジェクトマネジメントの手法で、複数のプロジェクトを統合して捉え、全体管理を行う方法です。イノベーション創出や価値提供などに重点を置きます。
  • PERT(Program Evaluation and Review Technique):プロジェクトのタスクや工程を矢印でつないだ図で表現する方法です。作業時間やリスク、依存関係などを分析できます。

これらは一例であり、他にも多くのプロジェクトマネジメントの手法があります。また、一つの手法だけでなく、複数の手法を組み合わせて使うこともあります。自分のプロジェクトに合った手法を見つけることが、プロジェクト成功への近道です。

PMBOK(Project Management Body of Knowledge)をちょっと詳しく

PMBOKは、プロジェクトマネジメントに関する知識やノウハウを体系的にまとめたものです。プロジェクトマネジメントの標準的なフレームワークとして世界中で広く受け入れられており、多くの組織やプロジェクトチームがそのガイドラインに従ってプロジェクトを推進しています。PMBOKは、以下のような特徴を持っています。

  • PMBOKは、プロジェクトマネジメントの10の知識エリアと5つのプロセスグループに分類されています。知識エリアは、プロジェクトの異なる側面や要素をカバーしており、プロセスグループは、プロジェクトのライフサイクルに沿った管理手法やプロセスを提供しています。
  • PMBOKは、予測型(ウォーターフォール型)やアジャイル型など、さまざまなプロジェクトマネジメントのアプローチに対応できるように設計されています。PMBOKは、一つの手法ではなく、柔軟に適用できるフレームワークとして機能します。
  • PMBOKは、PMP(Project Management Professional)という国際的な資格試験の出題範囲となっています。PMPは、PMI(Project Management Institute)という非営利団体が認定しており、プロジェクトマネジメントに関する一定水準のスキルを有することを証明する資格です。
  • PMBOKは、4年ごとに改訂されており、最新版は2021年に発行された第7版です。第7版では、より視点を広げ、より柔軟にプロジェクトに向き合うように内容を変えています。

PMBOKの活用メリットは、効率的にQCD(品質・コスト・納期)を管理できることや、プロジェクトマネジメントの技術や知識を客観的に証明できることです。PMBOKは、プロジェクトマネージャーやプロジェクトメンバーが必要とする基本的な知識やスキルを提供し、プロジェクトの成功に向けたサポートをする一冊です。

まとめ

プロジェクトの責任者は、勢いとかアイデア、が重視されそうな気がします。
もちろん、メンバーを牽引するリーダーシップや課題を打破するアイデアが求められる場面もあるでしょうが、実はとても科学的に、もしくは論理的、学術的に分析することで成功・失敗を分けることができる、ということに気がつきます。
山口周著「外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント」を読むと、きっとあなたのプロジェクトは失敗しません。