King & Prince岸優太、平野紫耀、神宮寺勇太が脱退・退所へ「ファンの皆さま、ごめんなさい」【連名コメント全文】
ORICON NEWS 11月4日
https://www.oricon.co.jp/news/2255870/full/
若い世代の拡大感、スピード感は一気に高まっている
11月4日King & Princeのメンバー、岸優太さん、平野紫耀さん、神宮寺勇太さんの3人が2023年5月22日をもって脱退することが発表されました。併せて3人とも、ジャニーズ事務所を退所することも発表されました。
私は、あまり”キンプリ”を知らないので、個人的な衝撃度はそれほどないのですが、ファンの方にとってはとても驚きなニュースだと思います。
このニュースに触れて、美容室と同じことが起きていると感じた業界関係者は少なくないと思います。
美容室業界では、人気が出てきたり、お客様が増えてくると、独立するのは、昔からの習わし。それをいかに止めるか、この会社にいたい、と思わせるかは、経営者に求められる能力のひとつとされてきました。
キンプリのメンバーのコメントを少し読んでみると、「早い段階で海外に挑戦したい」「このままでは、間に合わない」というニュアンスのコメントがありました。これは、今の若い人に共通する焦りの感情なのだと思います。SNSによりどんどんと世界は狭くなり、Instagram、TikTokによって、世界の人たちと触れあるチャンスが増えました。日本国内だけで活動する意味が薄れているのは事実だと思います。
また数年前から韓国エンタメがアメリカや世界を席巻して、韓国→世界という流れが確立してきています。
ジャニーズでも、山下智久さんが世界で活躍し、SMAPやTOKIOが自分たちのスタイルで活動する姿を見てきた若い世代が、自分たちらしくありたい、と思うのは必然な流れです。そしてそれを後押しするツールや環境が整ってきているのも事実です。
いかに創業者が、後継者を育てていくのか。
今回のキンプリの件のきっかけ(どちらが先かはわかりませんが)になったのは、 滝沢秀明副社長の退任だったでしょう。彼が辞めたからキンプリからの脱退があった、ではなく、タッキーが自分の目的を達成した?と感じた通りに、キンプリも次の動きをしないといけない、と感じたのでしょう。
タッキーが残ったらキンプリも残ったかと言われると、わかりませんが、どうも世の中の報道を見ていると、ジャニー喜多川さんの訓示を直接的に受けてきたタッキーがいなくなるのは、とても大きいことのようです。
さて、ここまであまり詳しくない芸能界の話をしてきましたが、この内容って、美容室にも当てはまりませんか?
創業者がいつまでもトップにいることが難しい美容室。
ある程度の年齢で、次の世代に後継することになるかと思います。そのとき、いや、そのときまでにいかに後継者を育てるのか、が重要になってきています。
では、どんな育て方をするべきなのか。
恐らく、多くの経営者は、経営者を育てようとするのではないでしょうか?
私は経営者が後継者を育てる時に経営者を育てようとする試みには賛成しかねます。
なぜかというと、100人の経営者がいれば、100通りの答えがあって、教えようとする、自分の方法論や考え方しか教えることができないからです。
経営者としての方法論を教えようとすると、何が起こるのか。
恐らく数字(売上)に厳しい経営者が育つことになるでしょう。
なぜか?
それは経営者と後継者の共通言語が数字になりがちだからです。
「何をするかは任せる」(経営者は現場の今がわかりにくい)
「経営のアドバイスをする」(数字のことを問いかける)
数字に厳格であることは、経営者としては大事ですが、現場がもっとも話題にして欲しくないのが、数字の話です。
若い世代のスタッフは、新しい経営者に求めるのは、新しい風、新たなワクワクです。昔からある方法論を継承(するつもりはなくても)してしまうと、何も変わっていないと感じさせてしまいます。そして創業者ではないので、大胆な手法を取ることができず、数字の話に終始してしまいがちです。これだと現場はどんどん離れていきます。
経営者は”経営の現場”からしか生まれない
創業者も、最初は経営者になりきれてなかったと思います。経験を積んで、だんだんと経営者になっていったと思います。後継者にも、その経験をさせて成長させるべきだと思います。
その経験とは、数字においても、予算決済についても、すべてにおいて任せてしまうことです。
最近、日本電産の後継者問題がよくニュースになります。永守さんという巨大な経営者の後継を作ることはとても難しい。それは、永守さんクラスを育成しよう、期待してしまっているからだと思います。
同じことを繰り返しますが、経営者の役割は、従業員をワクワクさせることだと思います。何人もの美容室経営者を見てきて、順調な会社とそうでなくなった会社の大きな違いは、従業員をワクワクさせられているかどうか、だと思っています。
労働内容が激しかろうが、教育が厳しかろうが、売上が伸び悩んでいようが、ワクワクできていれば、従業員はついてきます。その現場の人たちの目線がわからなくなると、会社は崩壊します。